心理的逆転
アメリカの心理学博士ロジャー・キャラハンが治療効果を妨げる要因として重要視した概念です。
『自分は幸せにならない』『惨めになるほうが良い』と、無意識に確信している状態です。
この状態があると、治療へ強い抵抗を無意識にしていくため治療の妨げとなっていきます。
こうすれば幸せになると頭で理解しても、反対のことを無意識に選択して回復の道には進めなくなります。
こういった状態を心理的逆転とよんでいます。
キャラハン博士はTFTという体のツボをタッピングすることでトラウマや様々な心理的不調を解消していく方法を系統だてて作った方ですが、キネシオロジーと呼ばれる体への働きかけによって心理治療を行う仕組みでは、治療効果は、施術後迅速に表れてもきます。ですので、なぜその効果が出てこないかについては、その原因がどこにあるかを考えることは、身体アプローチをするセラピストにとっても自然なことであったと思います。
ですので、クライエントとの中にある強い無意識の抵抗について、どのようにそれを解消するかは、一つのテーマでありました。キャラハン博士はTFTのなかで、この心理的逆転の解消法を作ってもいますが、強いトラウマの影響下で、人生のある時期に、自分が幸せになるのをあきらめ、みじめなままでいるほうが良いのだと思う、その信念は、その人の在り方、人生観全般にわたって、強い否定的な影響を与え続けています。
精神科臨床でしばしば扱われるケースでは、心理的逆転に対してTFTを行っても改善は一時的で、すぐに元に戻ってしまうより複雑化した病理があります。ホログラフィートークは、こういった難しい状態に対しても、比較的少ないセッション回数(一回で解消されることも多々あります)で、逆転を解消することができる、とても重要な技法です。