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怒りの処理
 
​身体のチャンネル

【怒りを認め、距離を取る】

 まず、自分が怒っている事を認めてあげましょう。そのことを意識してあげなければ、またそのことをダメなことだと思って隠してしまうと、何が自分の心の中で起きているか見えないままになってしまいます。

 

 私は怒っている。そしてこれは正しいことだと認めてあげましょう。その上で、いったん怒りと距離を取りましょう。

 

 距離をどうとるかですが、私はクライエントに、怒りを三つの局面に分解して分析してもらう事をよくしてもらいます。(トラウマ焦点化心理治療【STAIR】の三つのチャンネルと名のついている治療モジュールの一つです)

 ①身体でなにがおきているか?

  身体(感覚、姿勢、呼吸)

 ②どんな行動をとっているか?

  行動(怒鳴る、暴力をふるう、それをせずに立ち去る)

 ③どんなことを考えているか?

  認知(なぜ自分は腹立っているのだろう?自分は何に傷ついているのだろう?)

 この三つのチャンネルに分解して、自分の中で起きていることを分析してもらいます。

 まず、怒りが起きた時にどんなことが心とからだにおきているのかをモニターしてもらいましょう。

 例えば、車を運転していたら、急に隣の車線からウィンカー出さずに前に入られたて、怒りを感じた体験があったとしたら。

 怒りがわく、手に力が入り、胸は高鳴り、血が上っていくのを感じる(身体の反応)。

 

 車の中で、ふざけるなよと吐き捨てるようにつぶやき、アクセルを踏んで、相手の車に近づいていく…。(行動)こんなことが、起きていくかもしれません。

 

 なぜ、自分がこんな風に怒りを感じたのか、その理由について整理してもらいます。

 

 『交通ルールを守らないなんて、なんてひどい奴なんだ。社会の迷惑だ。反省してもらわないといけない…』

 

 『俺を馬鹿にしているのか、俺がそんなひどい奴のことを見過ごすとでも思っているのか、ふざけるな』

 

 こんな考えが、浮かんでいたかもしれません。

 これらの①身体の反応②行動③認知について、三つのチャンネルに分けて、ノートに書きこんでもらいます。

 

 そして、それぞれのチャンネルごとに対策を一緒に考えていきます。

 【身体の反応のチャンネル】

 まずは、体の反応です。心臓がドキドキと早く動き、呼吸も浅く早くなります。

 

 体の姿勢は前傾姿勢で、いつでも相手に攻撃をかけられる姿勢になります。

 

 視線も獲物を狙いすましたように一点に集中していきます。

 

 腕や手に力がはいり、ハンドルを強くにぎりしめます。

 

 この体の反応を全て反対方向にしていくことは、怒りと距離を取るのに役立ちます。

 

 逆に言うと、これらの身体の反応全てが怒りの感情を更に活性化させていくのです。

 大きく分けると出来ることは二つあります。

 

 一つは呼吸のリズムと深さ。一つは体の力を抜くことです。

 

​身体の反応のチャンネル

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