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トラウマとは?

トラウマについて

 トラウマというのは、英語で『傷』という意味です。なにか自分だけでは対処できない出来事が起きた時、こころはとても傷つきます。

 

 そして、その傷は私たちに様々な反応をおこします。胸が圧迫されるような感じや、体が縮こまって動かしにくい感覚、息が詰まるような感覚。また動悸がしたり、そわそわ落ち着かなくなったり。イライラして言わないでよい事を怒鳴ったり、また涙が止まらなくなったり。

 

 こころは、その傷に対して身体の感覚や、体の動きや、感情や衝動に変化を起こして、その傷に対処をしようとします(*1)

  

 通常は、その出来事が解決したり、また未解決であっても、状況が変わっていったりする中で、時間とともにその反応は落ち着いていき、元の状態に戻っています。

 

  例えば、小学校でテストの点が悪くて、これがばれたら大変だと、びくびくしたり、恥ずかしい感じがしたりしていても、そのことを大人になって思い出して、同じような反応が起こることはあまりありません。

 一時的に、辛い状況で様々な反応が起きても、その後しばらくすると自然とそれは回復していくのです。

 

 しかし、何年たっても、その時と同じ感覚、感情、体の動きや衝動がそのまま出てくるような体験もあります。

 このような、今も当時と同じような苦しい感覚が出てくる記憶のことを、トラウマ記憶とよび、そのような体験のことをトラウマ体験と呼びます。そしてこのような状況を引き起こす、そのストレスのことをトラウマティック・ストレス(トラウマ)と呼んでいます。

(*1)辛い気持ちがおきるのは、こころが自分を守ろうとしているからです。

 

  恐怖、不安、怒り、悲しみ。こういったネガティブな気持ちは誰も感じたくないですよね。でも、こういった感情が全くなくなってしまったとしたら、私たちは安全にすごせるでしょうか?まったく恐怖を感じないでいたら?

 

  高速道路を運転していて、出口を通り越してしまいました。そこでUターンして、向かってくる車をよけながら、出口に行く…こんなことはできません。

 強い恐怖があって、それが危険だということを教えてくれているからです。

 

 同じように、ネガティブな感情は、いまその人が危険な状態にある、コントロールできないことに巻き込まれている、深く傷ついていて傷つける相手へ反撃をする、大切な人(もの)を失った等、直感的に状況を教えてくれて、それに対して対処が必要なことを伝えるアラームとなっているのです。

 

 こころが傷ついたとき、こういった反応が私たちのこころや体に起きることで、そこから速やかに脱することができるようしてくれているわけです。​​

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