身体の反応のチャンネル
C(姿勢・視線を変える)
さらに、もっと単純ですが、もっと効率的に体の力を抜いていき、また怒りの反応をトーンダウンさせる方法があります。
背もたれのある椅子に座りながら行ってみてください。
椅子に深く腰掛けて、背もたれに腰や背中を預けてください。
そして、ゆっくりと首を伸ばしながら上を眺めていきます。
頭を後ろにそらせていきます。肩を後ろに引いて落としてみてください。
背もたれのところに首の後ろを預けてもいいです。
頸の力を抜いて、だらんと上を眺めてみましょう。
そして口をぼかーんと開けて、視線は天井を右や左にゆっくりと動かしてみてください。
おそらく、これをするだけで、ほとんどの人は怒りを感じることが難しくなります。
ポイントの一つは、姿勢です。
私たちは怒りを感じている時、体は前傾姿勢となり、いつでも敵を攻撃できる姿勢を作っています。
そして、視線は敵を凝視して逃さないよう一点をじっと見ているでしょう。
この視線と、姿勢は、怒りの反応と深くむずびついた本能的な姿勢だと思います。
この姿勢を変えていく、視線を変えていく。それがこのやり方の最大の特徴です。
背もたれに体を預けて、上を向いて頭を後傾させてみる。
この姿勢になると、相手を攻撃することはできません。総合格闘技を見たりされたりする方は、相手にこの姿勢を取らせれば、相手が反撃しにくくなることを知っていると思います。
この姿勢となると、力を込めて、攻撃することがほぼ困難となります。
また、この姿勢を取ると、悩み事を想起するのも難しくなることがあります。
姿勢と、感情がいかにリンクしているかが分かります。
ただこの姿勢を取っても、怒りや、苦しみが、思うほど下がらない方もいらっしゃいます。
その場合は、かなり深いレベルでトラウマがあることためと考えていますので、きちんとトラウマ焦点化心理治療を行い、こころの傷を癒していく事が不可欠となります。